【ポケモンSV S30 最終260位】選出誘導白バドミライ

 

こんにちは。京都大学ポケモンサークルのソウタです。今回は、結果は振るいませんでしたが構築の使用感はかなり良かったのと、レギュI初シーズンということもあるので自分の記録用も兼ねて記事を書こうと思います。何かと欠陥が多いとは思いますが、最後まで読んで頂けると幸いです。

 

使用構築

技配置、修正。この技配置に文句のある方は@soyuta369までお申し付けください

 

 

構築経緯

 レギュI環境においても最強の単体性能を有し、刺さっている構築に対して明確に強みを押し付けられるトリル鈍い型白馬バドレックスを軸に決めた。相方の禁伝には、白バドと攻めの補完が良く、何より積み白バドの天敵・ヘイラッシャに対して非常に強力であることを評価してチョッキミライドンを選んだ。白バドを展開するための起点作成を行えるポケモンが欲しかったため、挑発甘えるマジフレ型のブエナハバタクカミを採用した。ハバタクカミがスカーフ黒バドに対して役割を遂行できないため、初手スカーフ黒馬でカミが出落ちした際にこれを起点にできるよう白バドをノーマルテラスにし、コライドンやザシアンを殴れる10万馬力をサブウェポンに据え、この3匹を基本選出とした。

 最終日前日まで、この3匹+補完3匹で戦っていたが、結論から言うとこの基本選出、何にも勝たないということが発覚した。そこで、基本選出の欠陥を洗い出していったところ、

➀ミライドンの対物理における対面性能が低く、スイーパーとして運用しにくく、不利対面をとった場合に引き先がいないため初手置きもしづらい

②白バドのノーマルテラスが、黒バド対面以外であまりに弱すぎる

の2点で明らかに弱く感じたので、これらを改善できるよう組み替えた。

 まず、白バドをノマテラにしない限り初手のスカーフ黒バドに勝てなくなる初手ハバタクカミは論外だと分かったのでゴツメトリルミミッキュに変更。次に➀に関して、ミライドンは対面的な動きが苦手なものの、「選出できない」ことはせっかくの攻めの補完を活かしきれないと考えた。そこで、行動保証によってスイーパーとしての性能・多くの相手を削る性能を最大限高めることのできる襷をミライドンに持たせることで、テラス依存度の高い白バドとの同時選出を可能とした。

 これで基本選出は概ね完成。しかし、この状態では抜き性能の7割が白バドに依存している。従って、ここからは”白バドが勝たない相手”に勝つ補完のポケモンを考えた。

 それでは、白バドが勝たない相手とは何だろうか。最も勝たないのは、「まもみが」を行ってくるポケモンだった。中でも厳しく数が多いのは、グライオンである。よって、ここにガンメタを張ることにした。1つのメタの貼り方に、Gマタドガスなど露骨な対策ポケを入れて選出を抑制することがある。しかし、あまりにメタが露骨すぎると相手も選出を警戒し、むしろ選出択になってしまう。グライオン対策を選出せず、相手のグライオンが出てきたり、こちらがグライオン対策を選出したのにグライオンが選出されず、2vs3で対戦をするのはあまりに分が悪い。

 そこで、全く逆の対策を考えた。グライオンを、選出させればいいのである。「相手の構築グライオン刺さってね?」と思わせてグライオンを誘い出し、汎用的かつ見えないメタで無力化することで3vs2の構図を作る。そしてこれだけでは飽き足りなかった僕は、ガン起点にして裏まで貫くプラン(通称:ぐらいおんホイホイ)を考えた。まず、型次第ではグライオンで相手できそうな顔をしているオオニューラをエレキシード型で採用。飛行テラス+挑発+剣舞によってグライオン使いを地獄に叩き落す。しかし、これだけでは行動保証持ちがいるだけで全抜きできなくなる。そこで次に、ステロ撒きを探した。➀ステロ撒き+対面操作+挑発ができる、②浮いてる、③グライオンには別に強そうな顔をしていない点を評価してオボンのみ霊獣ランドロスを採用。これで、ミライドンに毒が入らないことだけ気をつけ、ランドロスとミライドンでステロ撒きつつクルクルして、グライオンで詰んだ人のふりをしながら満を持してオオニューラ着地→全抜きという完璧?なプランが出来上がった。オオニューラ以外も、ランドロスは挑発があり、ミライドンは打ち分けできて、最悪オオニューラ無しでもどうにかなるので、まさにグライオン無力化を体現している。瞑想ルナアーラに隙を見せないように、ランドロスはHDの挑発採用とした。

 ここまでできつかったのが「ステまきディンルー+吹き飛ばしホウオウ」や相手の白バド、テツノワダチが入った構築がだった。頭を悩ませていたところ、「ステロディンルー+吹き飛ばしホウオウ」には、水技の一貫がすごいということを先輩のきてふわさんが教えてくれたことを思い出した。従って、これらに対しては高火力の水打点で破壊することを考えた。しかし、環境上位の水タイプのポケモンは、見かけ上グライオンに強い。唯一、ヘイラッシャを除いて。ヘイラッシャならば、選出画面ではグライオンの餌Bとして働き、現状構築で重めのパオジアンやテツノワダチ、ディンルー、霊獣ランドロスに対する引き先となり、なんでも一発耐える高耐久を有し、鉢巻を持たせればホウオウディンルーも白バドも破壊でき、加えてトリルとの相性も抜群だ。こうして鉢巻ヘイラッシャを採用し、構築が完成した。見た目的に宿り木白馬とも取れるため、さぞグライオンと毒菱が釣れることだろう。

 

個体紹介

白馬バドレックス@食べ残し

特性:じんばいったい

性格:ゆうかん

テラス:電気

実数値:207(252)-222(132)-179(68)-94-157(52)-63

技:ブリザードランス/テラバ―スト/のろい/トリックルーム

調整意図・目安

調整はこちらの記事を参考にさせていただきました。

※無断転載のためご指摘あれば削除させて頂きます。

 

 トリル化の対面性能は化け物。グライオンの餌A。最終日前日まで10万馬力で採用していたが、白馬を投げられない構築にカイオーガがいない(=投げたい構築にカイオーガが多かった)、構築単位でミライドンを舐めていること、また終盤10万馬力採用が増えた影響か、10万馬力がケアされてむしろ電テラバを切った立ち回りをされがちになっていると感じたため、最終日に電テラバに変更した。+1の10万馬力でもH振りザシアンは落ちないことも理由の1つだったが、結果として地テラザシアンに一生怯える羽目になってしまった。

 鈍いとトリルのどちらから入るかやトリルターンの管理など、使用にはかなりの練度が必要であり、僕は全く使いこなせる段階までいけなかった。

 終盤はグライオンや毒菱を見て選出を渋る機会が多く、練度も低くて信用できなかったので選出率は4、5位くらいだったが、選出画面での圧力は凄まじく相手ほとんどがミライドンよりも寧ろ白バドを意識した選出をしてくるため、サブ選出を通すうえで大きく貢献してくれていたように思う。鈍いのPPはミラーでのアンコールケアで増やさないべし。

 厳選サボってるのでS個体値最高。結果、最遅アカツキガチグマにトリル下で抜かれて最終日負けた。今月中には最遅バドレックスを厳選することを心に決めた。

 

ミライドン@気合の襷

特性:ハドロンエンジン

性格:臆病

テラス:ノーマル

実数値:175-94-121(4)-187(252)-135-205(252)

技:イナズマドライブ/りゅうせいぐん/ミラーコート/めいそう

調整意図・目安

CS特化

 

 一見意味不明すぎる型であり、技同士のシナジーも支離滅裂であるが、本構築のMVP。驚異の選出率100%。3タテ、2タテを量産する、想像の5倍以上の強さを持つポケモンだった。

 このポケモンの最大の強みは、「認識のズレ」と「初見殺し性能」である。以下に挙げると、

・速いミライドンは「こだわり型」が多い

・ミライドンは一般的に変化技がない+拘り確認のため対面で守るが安定

・ディンルーに弱点をつけるテラス、或いは電気テラスが多い

 こうした固定観念が、ミライドンというポケモンには強く存在する。この型は、それらを全てひっくり返したことが最大の強みとなった。グライオンやキョジオーンの守るに瞑想を合わせれば受け不可能な火力の流星群を押し付けることができ、型を誤認した相手を幾度となく破壊した。

 襷という持ち物は、ミライドンをテラス前提でなく圧をかけられるポケモンへと変貌させ、本来テラスを切るべき対面でテラスを切らなくても済む点が135族ミラーの噛み合い、初手の噛み合いを制する上で非常に強力だった。

また、チョッキや拘りアイテムを持っていないことで、受け系統相手に超火力+打ち分け+変化技を押し付けられるのも強かった。

 ラスト1ウェポンのミラーコートは素の火力も相まってケアしづらい点、ルナアーラやテラパゴスを特性ごと貫通できる点、壁黒バドに勝ちうる手段となる点から採用したが、これがよく決まり多くの相手に初見殺しを行った。瞑想を積んだルナアーラなど本来突破不可能なポケモンにすらも勝ててしまうのが非常に強力だった。ミライドンミラーにおいては、襷ミラーでない限りはこの技によって最強になる。テラスを切らせたうえで対面突破することも何度かあった。

 挑発+ミラーコートなら瞑想を積んでくるポケモンに対してより強固になり、受けにも一部強くなるため瞑想→挑発に変えるのにも一考の余地がある。

 

ミミッキュゴツゴツメット

特性:ばけのかわ

性格:ゆうかん

テラス:ノーマル

実数値:143(100)-143(156)-132(252)-63-125-90

技:じゃれつく/のろい/ちょうはつ/トリックルーム

調整意図・目安

https://mizumo-yadon079.hatenablog.com/entry/2025/04/04/224308

調整はこちらの記事を参考にさせていただきました。

※無断転載のためご指摘あれば削除させて頂きます。

 

 無難に強かった。挑発は、裏のミライドンと白バドがステロで機能停止してしまうことから、ディンルーに打つために採用した。これは正しかったと思うが、影打ちを切ったせいで負けた試合もあった。

 トリルを張って呪いとゴツメで相手を削り、白バドにつなぐことが役割。挑発されると本当に何もできなくなるため、メンタルハーブを持たせることも考えたが挑発対策のために単体性能を落とすと本来勝てる相手にすら勝てなくなると感じたため、ゴツメで採用した。

 

オオニューラ@エレキシード

特性:かるわざ

性格:いじっぱり

テラス:ひこう

実数値:159(28)-200(252)-81(4)-54-102(12)-167(212)

技:インファイト/アクロバット/つるぎのまい/ちょうはつ

調整意図・目安

A:特化

S:かるわざ発動時に最速黒バドレックス抜き

HBD:余り

 

 ぐらいおんホイホイの核。EF張った後ランドロスの蜻蛉から着地し、グライオン対面で剣舞積んで、全てを破壊することが目標。グライオンに限らず、ドオーやキョジオーン、Gマタドガスなど、白バドやミライドンを定数ダメージで嬲り殺そうと出てきたポケモンを起点に舞う動きがとても強かった。オオニューラで積むとレッカこらえるキラフロルが頻繁に流してこようと出てくるが、飛行テラス時でもフロルの無振りパワージェムを確定で耐えるため、フロルには挑発から入るのがかなり安定する(妖テラスで流されるのは相手の選出次第では負け筋)。

 毒菱の一貫を切れるのも偉く、この構築は毒菱も呼ぶため毒菱役を無力化するという意味でも活躍した。攻撃技はインファイト、アクロバットで技範囲が完結しているためフェイタルクローを切った。ルナアーラを崩すために地獄突きが欲しくなる場面は多かったが、完全に技スペースが足りなかった。また、環境最速であるというのはグライオン云々関係なくシンプルに強く、先制技を持っている禁止伝説が少ないためこの環境では非常に通りが良かったと感じた。グライオン用に選出する場合は、テラスの必要な白バドと同時選出できない点だけ注意が必要。

 

ランドロス(霊獣)@オボンのみ

特性:いかく

性格:ゆうかん

テラス:ノーマル

実数値:191(212)-187(36)-111(4)-125-132(252)-90※s個体値9

技:とんぼがえり/じしん/ステルスロック/ちょうはつ

調整意図・目安

H:16n-1

D:補正なしで特化

余りA

ルナアーラの無振りシャドーレイがオボン込み99%で3耐え

 

 主にステロを撒きたい場面で選出した。ミライドン、オオニューラと同時選出する機会が多かった。このポケモンを選出する場面のほとんどがグライオン入りや毒サイクル、ホウオウサイクルである都合上、ほぼずっと毒か火傷状態だったので定数ダメージが最小となるようにHPを調整した。

 耐久調整とSラインは、以前使ってたものを最終日に急遽流用したため非常に雑になってしまった。特に、S個体値を中途半端に下げていることで無振りチオンジェンと同速なのが本当に終わっていた。抜くか抜かれるかにすべきである。余りのA振りも役割の都合上あまりメリットはないので、耐久に振り切るべきだった。

 テラスは、構築全体として黒バドが重くなりがちなので、緊急回避用のノーマル。

 

ヘイラッシャ@こだわり鉢巻

特性:水のベール

性格:いじっぱり

テラス:じめん

実数値:231(44)-167(252)-136(4)-76-100(116)-67(92)

技:ウェーブタックル/じしん/かみくだく/げきりん

調整意図・目安

H:8n-1

A:特化

S:4振りディンルー抜き

D:ミライドンのEF下控えめC特化流星群を81.25%耐え

 

 様子のおかしいポケモングライオンの餌B。変なポケモンではあるが、構築のあらゆる部分と強いシナジーがあり、最終日前日にこのポケモンを思いついたときには構築のラストピースがきれいにはまった感覚がした。主にホウオウディンルーやワダチを処理する役を担う。ホウオウ軸にはほぼ負けないレベルで強いうえ、それ以外にも普通に強く、パオジアンを重く見たい場面や白バドを大きく削りたい場面などによく選出した。ホウオウ対策ということで、聖炎火傷に耐性をつけるため特性を水のベールで使用したが、特性発動機会は驚異の0回(1回だけ聖炎を食らう機会があったが焼けなかった)。一方で対面から何故か剣舞を積んできた未来視パオジアンに破壊されたりしたので、全くもって天然で良かった。

 テラスは地震の火力増強+どうしようもない時ミライドンに切れる地面テラス。1回だけ切った。

 白馬のトリルとの相性も良く、カイオーガ軸などに投げると、トリル下でとんでもない火力のウェーブタックルを上から打ち続ける化け物になったりする。

 完全に想定通りの活躍をしてくれたので補完枠としては申し分なく、むしろ補完枠たり得ないほどの高い選出率となった。

 余談だが、ディンルーをウェブタで9割持っていく様は最高に気持ちが良いが、ディンルーを突破した頃にはステロ撒かれたうえ、気づけば体力が半分になっている。気持ちいいだけ。最早ディンルー相手にそれだけの被害で済ませられることを評価すべきなのだろうか。

 

選出

●基本選出

ミミッキュ(初手)+白バド+ミライドン・・・3割

 主にザシアン+黒バド、コライ+黒バド、コライ+カイオーガなどの、中でもスタン系の構築に対する選出。主としてミミッキュでトリル展開→バドで暴れる→ミライドンでスイープの流れを取る。

●ぐらいおんホイホイ・・・5割

ミライドン+オオニューラ+霊獣ランドロスorヘイラッシャ

 毒菱+コライ+ルナや露骨な毒菱展開、めっちゃ出てきそうな顔してるキョジ、フロルチオン、グライオンなどが見えたとき、その他白バドを投げにくい場合の選出。基本はランドロスを初手投げしたいが、相手の構築にパオジアンがいる場合は初手ミライドンを投げるか、ステロ不要と判断してヘイラッシャを投げる。コライやパオがいても受け一辺倒な選出をよくされたのでぶっ刺さった。

 対グライオン入りに関して、実に9割のグライオンを選出させることに成功し、そのうち8割以上でグライオンキャッチが成立し、さらにそのうち5割くらいでオオニューラの3タテが決まった。3タテまではいかずとも、多くの場合ミライドンで詰め切れる段階まで崩せるのでシーズンを通して勝率は非常に高かった。

 ちなみに、身代わりがない状態からならば襷ミライドンでも簡単にグライオンを崩せるので、相手次第ではぐらいおんホイホイを使わない選択肢もとれる。

●その他・・・2割

ミライドン+ヘイラッシャ@1(ミミッキュ以外)

 →対トリル白バド、ホウオウディンルーなど

ミライドン+オオニューラ+白バド、ランドロス+ミライドン+白バド

 →ミミッキュによるトリル展開が無理なとき(日ネク入りなど)の対面選出。

●面白そう

ミミッキュ+白バド+ヘイラッシャ

 最終日じゃなきゃ試してみたかった選出。トリル展開リレーからヘイラッシャまで繋ぐ。負け筋多そうで1度も試してないが、ミライドンガンメタみたいなポケモンがいる時に強いのでこれやってたら勝てた試合もあった。

 

きついポケモン、並び

●初手挑発コライドン

切り。初手コライミミッキュ対面は全部お祈りでトリル打つ。挑発されたら「ニトチャ打たないでくれ」のお祈りミライ引きから、非テラスで「同速勝ってくれ」「スケショ避けてくれ」のお祈りイナズマドライブを打つ。通ればワンチャンある。

●宿り木白バド

切り気味。型誤認して白バドラッシャとか投げようものなら相当辛い展開になる。そうでなくとも結構択合わせないと勝てないのできつい。

●毒毒テラパゴス

勝ち方が分からない

 

結果

TN そゆた R1966 最終260位

 

 最終日に組んだ構築案は良、構築は雑、人は弱。白馬の最遅厳選してないせいで負ける、ミント使い忘れで負ける、ミライドンのミラコのPP増やし忘れたせいで負ける、ランドロスがチオンと同速なせいで困る、etc...。最終日にこんなことやってるのはアホとしか言えない。もう少し、今の雑な構築組みを改善すべきだと実感した。今回初めて展開構築を使ったので、展開構築の扱い方、組み方を最低限理解するのにシーズンの4分の3くらい使ってしまったこともあり練度が全く足りず、テラス切り忘れとか本当にありえんプレミ連発してた。逆に言うと、これに加えて勝ち確エラー落ちとか下振れ寄りだった運とか諸々含めてここまで上がれたので、噛み合いが良かっただけかもしれないが構築のポテンシャルはあったと感じる。今月ずっと下手くそだった。ポケモン上手くなりたい。

 

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。次はもっと勝ちます。